今週の一枚 2007年7月-9月

2007年7月

2007.07.05「猫空纜車」 2007.07.12「揉捻機」
今週の一枚2007.7.05 今週の一枚2007.7.12
台北市内から猫空までの交通が飛躍的に便利になるロープウエーが7月4日に営業運転開始しました。動物園駅より猫空まで約4キロ、乗車時間25分、料金50元の空中散歩です。道中の見晴らしは天候がよければ最高のものとなりそうです。途中駅は動物園内站、指南宮站の二つ、全4駅構成です。猫空駅は標高299.3mで台北市内より少し涼しいと思いますが、ロープウエー内には冷房設備は無いようなので、汗拭きタオルや飲料水は必須かも。運行時間は平日9時から22時、休日は8時半から22時となっています。猫空には茶藝館など有り、木柵鐵觀音茶、文山包種茶などのお茶を楽しむことができます。これまでタクシーやバスを使って帰りの足を気にして行っていた猫空が身近になりました。今後、台北市内より交通便利な風情あるお茶ができる場所としてチェックしておきたい場所のひとつになりました。
***写真は台北市政府交通局提供「猫空纜車」***
台北縣坪林郷の茶業博物館にはいろいろな展示物があります。その中のひとつ「揉捻機」です。木製で手回しハンドルが古きよき時代を偲ばせます。炭直火で加熱したお釜で殺菁した茶葉は熱々のうちに揉捻する必要があります。台湾茶では回すように揉み作業を行いますが、熱くて大変な作業でした。この作業を効率よく安全に行うために生み出された機械が揉捻機。人の手で行う作業をハンドルとギアーで再現した逸品です。現在の機械もこの機械の原理そのものなので、先人の知恵と工夫には頭が下がる思いです。
***写真は坪林茶業博物館所蔵「揉捻機」***
2007.07.19「茶藝館園區」 2007.07.26「旱魃」
今週の一枚2007.7.19 今週の一枚2007.7.26
坪林茶業博物館に行かれたら茶藝館園區でお茶はいかがですか?博物館の右手に位置している茶藝館區は中國精緻庭園區、茶藝館及戸外品茗區の二つの部分より出来ています。傳統中國式建築の建物と中國庭園を眺めながら文山包種茶を楽しむのは格別です。坪林茶業博物館は館内だけでなく屋外施設や自然散策をしながらの山歩きも出来ます。定休日は毎月曜日、開館時間は9時より17時、入場料は大人100元、茶藝館は100元より楽しめます。
***写真は「坪林茶業博物館茶藝館園區」***
今年の台湾は猛暑で雨が少ないようです。7月台北市内最高気温は38.6度と過去の最高記録に肩を並べました。茶産地でも降雨量か少ないため茶樹がかれてしまう被害が各地で出ています。特に台東では非常事態宣言が出されました。各茶産地では旱魃対策として散水装置を茶畑に埋設しています。高山茶の高さ競争の結果、山頂樹林帯まで伐採し茶畑にしている阿里山では事態は深刻、毎日散水して冬茶に備えています。
***写真は「阿里山梅山郷」散水風景***

2007年8月

2007.08.02「芋頭蕃薯稀飯」 2007.08.09「台北市四平街」
今週の一枚2007.8.2 今週の一枚2007.8.9
台湾らしい朝ごはん「お粥」です。稀飯はお粥の事。写真のような紫色をしている「芋頭」、オレンジ色をしている「蕃薯」を贅沢に二つ使っています。芋頭は「タロイモ」と呼ばれているものと同じもので、主食、副食、お菓子、ドリンク、アイスクリームなどに使われます。蕃薯はサツマイモ、白皮で中はオレンジ色、甘みがあり焼き芋などに多く使用されていますがお粥に使うと最高です。二日酔いの朝、このお粥を食べると元気になれるんです。台湾らしい朝ごはんですね。
***写真は製茶実習時「芋頭蕃薯稀飯」***
台北市四平街にはOL御用達の屋台や小さなお店がたくさんあります。しかし、四平街と一江街の交差点付近には現地でしか食べられない食べ物がたくさんあります。庶民の町らしく大衆価格にC級グルメを唸らせる味。朝食時間帯や昼食時間帯、夕方には違う屋台がたくさん出店しています。付近には果物屋、四川料理、広東料理、北京料理、台湾料理、山東料理などなど、各地の食べ物が林立。食在台湾にふさわしい場所です。台北市内の散策ルートのひとつにいかが?
***写真は「台北市四平街」朝の光景***
2007.08.16「乱開発」 2007.08.23「乱開発、その後」
今週の一枚2007.8.16 今週の一枚2007.8.23
茶園の高度競争がもたらす環境破壊の光景です。ここは阿里山梅山郷、標高1300mから1500m付近。雑木林、竹林を伐採して茶畑にしようと開発している光景です。伐採し焼畑を行うことで一時的によい畑が出来ます。しかし、この場所より下の場所では雨が降っても保水能力がなくなったため、常に散水を行う必要があります。大雨が降れば畑は崩落し、晴れれば旱魃で枯れこむ。茶畑の本来の姿から遠ざかっていると思いませんか。
***写真は「阿里山梅山郷」乱開発***
山の頂上まで伐採し茶畑化する高度競争が生み出した結果です。ここは高度1400m付近阿里山梅山郷です。阿里山で一番美味しいお茶がつくられている茶区の中、特等奨を獲得している葉茶師の茶畑です。下に見えているパイプは旱魃対策の散水用、右上部に見える大きな筒は貯水タンクです。美味しいお茶を作るためには欠かせないアイテムになっています。自然と共生した農業、管理人の理想ですが現在の経済理念の中では異端児的考えなんですね。山が持つ自然の保水能力を無視してまでも開発してしまった後始末は負の遺産として残されます。きれいな茶畑の影にはこのような現実があることを忘れないようにしたいと思っています。
***写真は「阿里山梅山郷」開発後の茶畑***
2007.08.30「製茶実習・茶摘」
今週の一枚2007.8.30
製茶実習が近づいてきました。まず茶園で初めに行う作業「茶摘」です。蘇茶師の畑の中でも比賽頭等奨を輩出した一押しの茶畑です。渓谷傍らの斜面に茶畑は広がり、茶摘も横に移動しながら行っています。水源地帯なので農薬も化学肥料も使用禁止の場所なんですよ。参加者だけの茶葉では製茶するのに少ないので、近所の茶農や蘇さんの親戚の応援を頼みました。この摘み取った茶葉がこれから徐々にお茶に変っていくのです。その過程は神秘であり楽しみでもあります。
***写真は「茶摘」製茶実習***

2007年9月

2007.09.06「製茶実習・日光萎凋」 2007.09.13「製茶実習・ざる振り」
今週の一枚2007.9.6 今週の一枚2007.9.13
製茶実習が近づいてきました。「茶摘」に続いて行う作業「日光萎凋」です。摘み取った茶葉を日光の力によってしんなりとさせる作業です。このあとの室内萎凋につながる大切な作業。日光が強すぎるときは覆いを使ったり、日差しが弱いときは透明な屋根の下で、とテクニックが必要。茶葉を広げる際に茶葉が体の影で日陰にならないような配慮も必要です。この作業が終わると、葉っぱから茶葉へと少しずつ変りはじめます。
***写真は「日光萎凋」製茶実習***
製茶実習が近づいてきました。「日光萎凋」「室内萎凋」など製茶作業には「ざる振り」が必須科目。ざるに広げた茶葉を一瞬で中央にまとめあげ、攪拌作業や次の作業をしやすくするために行います。ちょっとしたコツなんですが、なかなかうまくいかず悔しい思いをしながら自主トレに励む人もいます。蘇茶師が手取り足とりで教えてくれますが、できる人は1回でOK、できない人は何度やってもNGです。もちろん管理人は、、、NGグループに属しています(笑)。あなたはうまくざる振りできますか。
***写真は「ざる振り」製茶実習***
2007.09.20「製茶実習-室内萎凋」 2007.09.27「製茶実習-揺菁」
今週の一枚2007.9.20 今週の一枚2007.9.27
製茶実習が近づいてきました。「室内萎凋」は12時間にも及ぶ繊細な作業です。文山包種茶の現場では室内萎凋とは言わず「走水」と呼びます。「走水」は茎に含まれているうまみを水分に乗せて茶葉より蒸発させる作業です。よく醗酵ですかと言う人がいますが、走水は醗酵ではありません。なぜならば醗酵は酸化反応なので発熱し、茶葉があたたくなります。走水は水分を蒸発させる作業なので茶葉は冷たくなるのです。この点を勘違いしている人があまりにも多くいるのにはビックリです。参加者の皆さんは茶葉を実際に触って違いを感じてください。一番の醍醐味は茶葉からの香りが刻々と変っていくさま。これだけは参加者にしかわからないお楽しみです。
***写真は「室内萎凋」製茶実習***
製茶実習が近づいてきました。「室内萎凋」の最終段階「揺青」です。昼過ぎよりはじめた日光萎凋、室内萎凋(走水)は深夜1時過ぎになり揺菁機の登場です。揺菁機は竹籠を大きくした構造で、中に投入した茶葉をゆっくりと攪拌します。手作業で行う場合は、ゆっくりと30分ほどかけて行います。揺菁により茶葉は醗酵をはじめますが、その過程は非常にゆっくりで水分蒸発とバランスがとれ茶葉が温まらない程度。このときの室温と湿度は製茶実習でお確かめください。吃驚するような温度湿度管理です。この作業後2時間から4時間程度休憩、やっと仮眠が取れます。目覚めと共に殺菁から始まるあわただしい作業に備えて、茶葉の香りに包まれてひと時の休息です。
***写真は「揺菁」製茶実習***