今週の一枚 2007年10月-12月

2007年10月

2007.10.04「製茶実習-殺菁」 2007.10.11「桂花茶(金木犀茶)」
今週の一枚2007.10.04 今週の一枚2007.10.11
製茶実習が近づいてきました。「室内萎凋」の終了、そのタイミングはズバリ「茶葉の香り」です。これはお伝えできないので参加者にしかわからない香りですね。この香りに変化したら「殺菁」です。台湾鉄釜を使って一気に茶葉を加熱し、醗酵酵素を止めてしまいます。鉄釜の温度や殺菁時間はそのときの茶葉の状態によって違いますが、焼いている茶葉を握りしめて、香りをチェックして判断します。殺菁中は釜の中から水蒸気がもくもくとあがり、生茶葉の香りからお茶の香りに変化してきます。この変化の時間に立ち会えるのも製茶実習の楽しみのひとつですね。
***写真は「殺菁」製茶実習***
少し開花が遅れた「金木犀」ですが、香りが漂ってきました。お茶には金木犀より銀木犀のほうが香りが強く少量で香りを楽しむことが出来ますが、華やかさでは金木犀ですね。台湾では銀木犀が四季咲きで咲いているのでお茶によく利用しますが、日本ではこの時期だけの限定茶となります。花を早朝摘んで茶葉とあわせて熱湯で淹れれば「桂花茶」の出来上がりです。ほのかな香りと甘みが季節を感じさせますね。茶葉は文山包種茶や台湾紅茶がベストです。日本茶でも楽しめるので、今だけ限定のお茶是非お楽しみください。花は冷凍保存すればクリスマス、お正月に楽しめますし、乾燥させれば長期保存できます。開花の早い花、写真のつぼみと花は24時間差です。
***写真は「桂花茶(金木犀茶)」***
2007.10.18「製茶実習-揉捻」 2007.10.25「製茶実習-乾燥、焙煎、袋詰」
今週の一枚2007.10.18 今週の一枚2007.10.25
製茶実習が近づいてきました。殺菁が終わった熱々の茶葉はすぐに揉捻機に投入されます。この作業だけは危険なので、茶師にお任せして見学になります。圧力をかけて揉捻しますがその加減は茶葉の状態を見極めながらとなります。揉捻が足りないと茶葉は固い葉のようになり、しすぎるとボロボロになってしまいます。茶葉が熱い状態で作業を行うことにより可能な作業ですね。揉捻が終わった茶葉は「解塊」玉解き作業を行い、茶葉が固まっているものをほぐします。この状態で冷凍保存したものが「冷凍茶」になります。これは作業が忙しく乾燥作業が間に合わないときに応急的に行われた保存作業です。もちろん製茶実習ではこの状態のお茶も試飲しますよ。
***写真は「製茶実習-揉捻」***
製茶実習に本日より出発。製茶作業の最終過程「乾燥」「焙煎」「袋詰め」「テイスティング」です。乾燥機に2回通して茶葉の水分を取り除きます。販売用の茶葉はこのあと製茶作業を行いますが、時間がかかるためこの作業は自宅で行います。乾燥後の茶葉を焙煎器にいれ、水分をぎりぎりまで取り除きます。この作業をしっかりと行わないと、茶葉は熟成せず劣化してしまうので注意が必要。今回出来上がった茶葉を蘇文松茶師がテイスティングし評価してくれます。持ち帰り用の茶葉を袋詰めして、すべての作業完了です。さて、今回作る茶葉はどんなお茶になるのでしょうか、楽しみです。
***写真は「製茶実習-乾燥、焙煎、袋詰、テイスティング」***

2007年11月

2007.11.01「蘇志成茶師、最高層級特等奨獲得」 2007.11.08「鼎泰豊、小籠包」
今週の一枚2007.11.01 今週の一枚2007.11.08
8月21日22日に台北縣農會文山農場にて行われた「台北縣市96年度製茶技術競賽」において「蘇志成」茶師が特等奨を獲得しました。木柵、南港、坪林、石碇、深坑、平渓、親店、汐止、三狭、林口、石門などの茶農が参加して行われました。青心烏龍種の茶葉を与えられ、各自独自の技術で萎凋、殺菁、揉捻、乾燥などの工程を経て、茶葉鑑定士による審査が行われます。使う茶葉も道具も同じもので、技術の差が味の差を生み出します。今年は天候の関係で高度な技術が要求され、難度が高いものになりました。この中で最年少にもかかわらず最高の栄冠を獲得した蘇志成茶師の力量に感服。いつも製茶実習で指導してもらっている人がチャンピオンとは、でも気さくで真面目な人柄は変っていませんよ。
***写真は「蘇志成茶師」新聞報道より***
数年ぶりに鼎泰豊へ行ってきました。まだ、地元の人も知らない頃から通っていました。当時、先代の楊さんが店頭入口で大きな包丁を振り回していたのが印象的です。今の代になってから足が遠のきましたが、上海式小籠包としての形式は保たれていました。先代がいつも注文時に言っていた言葉「迷ったら小籠包、湯包、豆沙小包、鳥スープ、泡菜だけ食べなさい」今回もこの教えどおり注文、少し違うのは豆沙小包はタロイモのに変更。湯包は土日だけなので無し。最近では卵チャーハン人気らしいですが、私は注文しませんでした。以前よりという感はありますが水準の高い小籠包であることには違いありませんね。
***写真は「鼎泰豊、小籠包」***
2007.11.15「戒克船、大稻埕」 2007.11.22「台茶之父、李春生」
今週の一枚2007.11.15 今週の一枚2007.11.22
台北市を流れる淡水河沿いにお茶にまつわる場所があります。大稻埕といわれる場所です。倭寇による襲撃を避けるため淡水河をさかのぼった場所に貿易港を構えたのが始まり。今の圓山大飯店の下、基隆河沿いに英国からの貿易商のために招待所を設け、河を伝いこの地でお茶の商談を行ったのです。ここからアモイに向けて船積みしたのは「フォモサティー」です。アモイからはカティサークによってロンドンへ運ばれ、英国紅茶として世にでるのですね。お茶マニアなら台湾ではずせない場所です。
***写真は「戒克船」のレプリカ***
1869年「李春生」氏は二艘の帆船を使い米国ニューヨークへ20万斤(約12ton)のお茶を運びました。イギリス人ダード氏との共同事業でした。この事業により多額の資金を手にした氏の一族「陳天来」氏が錦記茶行を1891年に設立しました。この当時、北部台湾の主要な輸出品目であった「茶」は全台湾の90%をこの地より輸出したのです。1923年に作られたこの建物は当時のお茶輸出産業のシンボルともいえるものです。台北市内にはこの当時を偲ばせる建物がたくさんあります。散策しながら古き時代に思いを馳せるのも楽しみのひとつですね。
***写真は「台茶之父、李春生」の錦記茶行***
2007.11.29「蘇文松・志成茶師頭等奨」
今週の一枚2007.11.29
96年坪林文山包種茶冬茶比賽冠軍26日掲曉,由去年坪林春季文山包種茶特等獎得主陳志成再度奪冠,擔任坪林郷民代表的王成意也奪得頭等獎。陳志成26日奪冠後表示,他從小跟著父親種茶、製茶,毎天到茶園仔細觀察茶菁生長状況,體會種出好茶的秘訣,儘管今年受到颱風影響,収量減少三成,但不影響茶葉品質。特等獎得主是陳志成,頭等獎10名得主,分別由王太鍵、王成意等10位茶農奪得,貳等獎由王芳茹等61位茶農獲得。
冬茶比賽の結果は陳志成茶師が春に続き栄冠獲得、蘇茶師は頭等奨を2個獲得しました。台風の影響で収穫量が3割減少しましたが、品質の良いお茶が出揃ったようですね。
***写真は製茶作業中の「蘇文松茶師」***

2007年12月

2007.12.06「台北女僕喫茶」 2007.12.13「茶葉を食す」
今週の一枚2007.12.06 今週の一枚2007.12.13
日本で一世を風靡した「メイド喫茶」は台湾でも大ブームを起こしましたが、現在ではブームも去り数店を残すのみです。台北でもっとも有名なのがここ、なんと「萌月堂有限公司」が経営している台北駅地下街の「Fatimaid」です。「お帰りなさいませご主人様」と日本語でお迎えしてくれるお店は萌えー!なのかな。11時より21時までの営業で月曜日定休、平日は3、4人、休日は7、8名のメイドさんがいるようです。店内は撮影禁止、予算は150元(休日200元)でフリードリンク。興味のある方は一度散歩に行ってみてください(笑)
***写真は台北駅地下街「「台北女僕喫茶」***
お茶の葉を料理に使うことはたくさんあります、中でもお茶の葉をそのまま食べてしまうフリッターはなかなか美味しい。もちろん揚げる油は「茶油」です。ほんのり苦味がありますが、からっと揚がりさくっとした食感をかもし出します。製茶実習時に蘇ママがよく作ってくれ、好評な料理の一つ。金萱種、翠玉種、武夷種などの茶葉も試してみましたが、青心烏龍種が一番美味しいのは何故でしょう。日本風の天麩羅にしてもとても美味しいですね。青心烏龍種の生茶葉が入手できたら是非お試しを。ちなみに使うのは茶摘と同じ柔らかい葉です。
***写真は青心烏龍種「「茶葉フリッター」***
2007.12.20「台湾茶の花」 2007.12.27「老舗の鍋」
今週の一枚2007.12.20 今週の一枚2007.12.27
俳諧の世界では季語「冬」に分類される茶の花です。日本では10月を中心にして咲くようですが、台湾でも10月に入ると茶の花が茶畑一面に咲き出します。1月頃まで咲いているのを見ることが出来ます。日本の茶畑では花が咲くのを嫌うので、咲かせないように管理しているようです。花が咲けば実もなるのですが、種子として熟成するのはほぼ1年後なんです。品種改良のためにお茶の花を受粉させ、種蒔きするのに1年、さらに発芽するまで約半年かかるのです。その間乾燥させたり、極端な寒さにあわないように管理するのは大変な作業ですね。発芽した苗は2年間育てて畑へ定植、2年育ててからその茶葉の良し悪しを判定することになります。良いものを育て、挿し木によって増やし、実際に農家が育て製茶作業が出来るまでは膨大な時間がかかります。そんな未来の夢を背負ったお茶の花ですね。
***写真は青心烏龍種「台湾茶の花」***
台湾では茶器についた茶渋を落とすことはタブー、まして漂白するなんて罪悪なんですね。茶壺はもちろん、茶杯なども茶渋にまみれた年代ものを使ってお茶を淹れてもらえれば歓迎のサインです。同じように老舗のお鍋も使い込んでタレが鍋の周りにいく層にも重なることで生み出す美味しさもあります。写真は台北縣農會文山茶推廣中心の道路を挟んだ反対側にある豚足屋さんのものです。この店は最近のグルメ雑誌などでもベストテンに常にランクインする隠れた名店です。チャンスがあったら是非味わってみてください。豚足、苦瓜スープ、ソーメンに豚足のタレをかけたものがお薦めかな。
***写真は豚足屋「老舗の鍋」***