今週の一枚 2010年04月-2010年06月

2010年4月

2010.04.01「茶摘直後の茶葉」 2010.04.08「茶葉とウンカ」
今週の一枚2010.04.01 今週の一枚2010.04.08
茶摘み直後の茶葉は瑞々しく凛としています。台湾茶は萎凋香を大切にします。茶師によって萎凋(走水)の方法は違いますが、この作業をおろそかにするとお茶は死んでしまいます。茶葉に含まれる悪い香りを捨て去り、良い香りだけをとどめるのが目的です。文山包種茶は走水の妙によって生み出されたお茶といっても過言ではありません。製茶実習・体験では摘みたての茶葉がどのように変化していくのか、五感を使って体感します。摘みたての茶葉は芸術品のようにきれいですね。
***写真は「茶摘直後の茶葉」花蓮瑞穂郷にて***
茶葉にとって害虫とされる「ウンカ」ですが、仲良く暮らせば美味しいお茶を生み出す力になってくれます。日中は藪などに隠れていますが、夕方から明け方にかけて活発に活動し、茶樹より樹液を吸い取っています。東方美人茶、蜜香緑茶、蜜香紅茶などはこの茶葉を使い、工夫して生み出されたお茶です。気温、湿度の上昇とともに活発になるウンカですが、よく見ると蝉のような姿でかわいいものです。写真の茶葉は「紅玉種・台茶18號」で高肇昫茶師が製茶するために管理している茶畑で撮影しました。
***写真は「茶葉とウンカ」花蓮瑞穂郷にて***
2010.04.15「室内萎凋」 2010.04.22「雨村生態休閒農園」
今週の一枚2010.04.15 今週の一枚2010.04.22
文山包種茶にとって最も大切な作業は室内萎凋「走水」です。お茶づくりに手抜きは禁物ですが、室内萎凋は12時間以上もかかる大仕事です。気温、湿度の管理はもちろん、茶葉の状態を見ながら細かく微調整します。このような萎凋室においても、上段の茶葉と下段の茶葉は全く違うものになり、入口近くと奥とでも違うものになってしまいます。場所を入れ替え、攪拌方法を調整することで、全てが同じ品質の茶葉になるように管理するのがプロの仕事。製茶実習に行くと、この製茶室の扉を開けるのが一番楽しみ。茶葉の香りにガツンとやられます。
***写真は「室内萎凋」坪林にて***
雨村生態休閒農園は雲林縣斗六市江厝里にある施設で、自然の中でできる食事が一押しです。園内には150種類以上の植物があり、水生植物も多く植栽されています。觀光柳丁果園では台灣オレンジ狩もでき、また、花のシーズンには一面雪のような花で幻想的です。食事のお勧めは鶏肉料理と豆腐料理、野菜は山菜のサラダ。どの料理もおいしく、自然の中の食事とあいまって、至福のひと時をすごすことができます。この地区にお出かけの際は、ぜひご利用ください。
***写真は「雨村生態休閒農園」雲林縣にて***
2010.04.29「高肇昫茶師」
今週の一枚2010.04.29
昨年秋に新築工事を始めるとの話がありましたが、すでに工事は進み外壁など出来上がっていました。高肇昫茶師の話では秋までには完成するとのこと。隣接する「嘉茗茶園」の屋根の上にも、もう一つ屋根が載っていました。夏場の暑さを和らげるための工夫とのことで、暑い時期を快適に過ごすための工事でした。蜜香紅茶を作り出した茶師として有名になりましたが、台湾各地で蜜香紅茶が作られていることをかんがみると、その功績は大きいものです。お茶作りは常に進歩、新しいことを考え実践することが大切だと語ってくれました。
***写真は「高肇昫茶師新築工事」***

2010年5月

2010.05.06「雪山烏龍茶」 2010.05.13「四季春紅茶」
今週の一枚2010.05.06 今週の一枚2010.05.13
文山地区で生産されている球状茶は二種類、ひとつは「木柵鐵観音茶」や「石門鐵観音茶」などの鐵観音茶と雪山山系の茶葉で作られる「雪山烏龍茶」です。雪山山系は最北端の山系で標高2,000メートルにも及ぶ高山系の山系です。文山地区にかかる部分では、標高1,000メートル程度で、茶樹栽培は比較的低地の渓谷沿いで行われています。高山文山包種茶とか坪林の高山茶とか目にしますが、実際に高山で栽培されている茶葉は皆無です。何層にも及ぶ山脈の深部、水源地帯に位置する坪林では高山にも負けない「気」があるのは間違いなく、美味しいお茶の産地と言えるでしょう。包種茶でもなく、中部・南部の烏龍茶とも違う「雪山烏龍茶」、ご存知でしたか?
***写真は「雪山烏龍茶」***
低価格烏龍茶の代表「四季春種」ですが、その独特な「青い香り」と「クセ」が包種茶、球状茶どちらに仕上げても付きものでした。この四季春種を使って紅茶に仕上げてしまった達人がいました。台湾紅茶の第一人者「高肇昫」「粘筱燕」夫婦茶師です。半信半疑で揉捻を始めた茶葉からは四季春特有の香りが漂ってきます。大葉烏龍や紅玉とは全く違う香りです。仕上がった紅茶は、甘くさわやかなお茶でした。達人の手になると、四季春も高級茶になってしまう。まさに神技が生み出した紅茶です。
***写真は「四季春紅茶」***
2010.05.20「めいりょく紅茶」 2010.05.27「苦瓜畑」
今週の一枚2010.05.20 今週の一枚2010.05.27
日本茶の品種「めいりょく」から作られた紅茶です。「めいりょく」は登録番号、茶農林35号「やぶきた」と「やまとみどり」の交配種で1986年に育成された新品種です。アミノ酸が少なく、清涼感があり、茶葉がきれいな緑色になるということで、やぶきたにブレンドするお茶として育成されていることが多いようです。紅茶に仕上げてみると、涼しい香りが新鮮でやぶきた特有の香りはなく、飲みやすいお茶になりました。国産紅茶のエースとして登場する日が近いのかも。
***写真は自作「めいりょく紅茶」***
台湾野菜の代表「苦瓜」を栽培している畑です。トンネル式で栽培し、苦瓜はトンネル内につり下がるという方式です。日本でも「かぼちゃ」栽培に同様の方式がとられています。特に日差しの強い花蓮縣で、白色の苦瓜を育てるには有用な方式といえます。さらに袋掛けし、白く仕上げる努力をしています。この地区では通年栽培でき、農家の主要品目となっています。同じように「瓢箪」や「へちま」も栽培されており、食卓を彩る野菜として重用されています。
***写真は「苦瓜畑」花蓮瑞穂にて***

2010年6月

2010.06.03「台北食品展」 2010.06.10「東方美人茶」
今週の一枚2010.06.03 今週の一枚2010.06.10
6月23日より26日の日程で「2010年台北国際食品展覧会」が南港世貿において開催されます。5年前は写真のようにお茶関連の出展がたくさんありました。今年はどのような商品が出展されるのでしょうか。今年、管理人は「可味企業有限公司」のお手伝いで参加することになりました。もちろん空いた時間にはお茶関連のブースを回って情報集予定。凍頂の茶師「林桓渝」氏と一緒に関係ブースもまわる予定をしています。第20回の節目にあたる年です、美味しそうな食品がたくさん出展されると良いですね。外国人は事前登録すれば無料で入場できます。
***写真は「2005年台北食品展」***
来週末に東方美人茶の製茶実習・体験が開催されます。空梅雨が心配ですが、美味しいお茶を作りましょう。東方美人茶は台湾固有のお茶で「文山地区」「龍泉地区「「新竹・苗栗地区」が主たる産地。呼び名も「椪風茶」「膨風茶」という本来の名前に「オリエンタルビューティ」や「香濱烏龍茶」「五色茶」「三色茶」「福壽茶」「白毫烏龍茶」など。茶の害虫「ウンカ(小綠葉蟬)」の食害にあった茶葉を使って作り上げたお茶で、いわれは諸説あります。品種も「青心烏龍種」「青心大冇種」だけではなく「白毛猴」「大葉烏龍」「紅心大有」「黃心烏龍」などウンカ芽であれば作れます。近年では製法だけ同じという、紛い物も流通してるので注意が必要です。
2010.06.17「小綠葉蟬(ウンカ)」 2010.06.24「2010年台北国際食品展」
今週の一枚2010.06.17 今週の一枚2010.06.24
台湾では「小綠葉蟬」、日本では「ウンカ」と呼ばれる小生物です。太陽の光を嫌い日没後から明け方まで激しく活動し、高温多湿を最も好むという風変わりな生き物です。ウンカにもいろいろな種類があるようですが、写真のウンカは台湾花蓮瑞穂の茶畑に定住していると思われる一族です。お茶の害虫として駆除され続けてきましたが、東方美人茶に欠かせない生き物として脚光を浴びてきました。花蓮瑞穂の高肇昫茶師が生み出した蜜香茶も彼らの立場を良くしたようです。体長1mm程度の小生物の力から生み出されたお茶、大自然に感謝です。
***写真は「小綠葉蟬(ウンカ)」***
2010年台北国際食品展が23日開催されました。南港展示場での開催なので、台北市内からはMRTを使用していきます。台北駅から板南線を利用して南港駅、そこから無料シャトルバスで会場入口というコースを選択しました。入口は国内業者用と海外業者用の受付に別れておりますが、受付完了まで15分ほどと手際の悪さが気になりました。会場内はバイヤーというより一般という感じの人が多く見受けられました。お茶関係はほんの数社があるだけで、同じ時期に開催されている鹿谷の展示会に主力が行ってしまったという感じです。写真の雲林縣政府ブースは相当力が入っていました。別フロアーの日本ブースも多くの人がいました。26日まで開催されています。
***写真は「雲林縣政府ブース」***