今週の一枚 2010年10月-2010年12月

2010年10月

2010.10.07「桂花烏龍茶」 2010.10.14「自作国産紅茶」
今週の一枚2010.10.07 今週の一枚2010.10.14
異常気象の影響なのか金木犀の開花が数日遅くなりました。金木犀の花が咲くと飲みたくなるお茶が「桂花烏龍茶」です。庭先の花を日の出前に摘み取り、ガクと茎を取り除き、花だけの状態にします。あわせるお茶は「文山包種茶」「龍鳳峡」がお勧めです。清香で香りに個性が強くないものが金木犀の香りをひきたてます。茶壺、蓋碗だけでなく耐熱ガラスコップでザックリと淹れるのも楽しいですね。花をたっぷりと、これでもかと使うのがコツです。野点として楽しむのも風情があり、金木犀を観賞しながらお茶を楽しめます。金木犀の花は収穫してから、できるだけ真空に近付けた状態でパックして冷凍保存すれば、クリスマス、お正月に楽しめますよ。
写真は「桂花烏龍茶」
台湾茶生産の基本をどこまで習熟できたか確かめるために、国産紅茶や緑茶、包種茶を自作しています。今秋は9月24日に茶摘みを行い、25日、26日で作業をしました。今回は日本品種の特徴である「葉が薄い」ことを考慮して、花蓮式紅茶だけでなく坪林式紅茶の手法を取り入れたものに挑戦。天候が悪かったことが幸いして「萎凋」の大切さを痛感しました。「さやまかおり」「さえみどり」の2品種から出来上がったお茶はまずまず。同じ台湾式で作ったネパール(ヒマラヤ)産の紅茶も時を同じくして試飲しましたが、香りの素晴らしさに感動。産地と生産者の数だけお茶の種類がある、自分でお茶作りをすると、より身近に感じることができます。
写真は「自作国産紅茶」Oyakata撮影
2010.10.21「文山東方美人茶」 2010.10.28「蜜香緑茶」
今週の一枚2010.10.21 今週の一枚2010.10.28
文山東方美人茶は台湾を代表するお茶。古来名称は「文山椪風茶」です。民國92年、93年は大当たり年、特に93年は別格といえます。文山美人茶は青心烏龍種の肥大した夏芽を使用します。農暦端午節前後は茶畑の害虫「ウンカ」が大量発生する時期です。食害にあった茶葉は酵素を作りだし、香りと味に変化を与えます。この時期が一年一回の生産時期なのです。日光萎凋が必須のお茶は、梅雨時期の短い晴れ間を狙って茶摘みを行います。茶葉収穫量を上げるための化学肥料や除草剤、殺虫剤を使用してしまうと、ウンカは発生しません。自然が生み出すお茶、中でも美人茶は条件がすべて揃うことの少ないお茶です。美人茶は産毛が美味しさを物語るお茶なんです。
写真は「93年文山東方美人茶」Oyakata撮影
花蓮縣政府の無毒栽培農業(無農薬栽培)推進事業に応えて、瑞穂郷の茶農・茶師である高肇昫・粘筱燕夫妻は所有する茶畑を無農薬栽培に切り替えました。うんかによる食害被害に困り果てた夫妻は、民國89年にウンカ芽を使ったお茶作りに成功しました。これが「蜜香緑茶」です。完成当初の蜜香緑茶は美人茶に近い香りで、緑茶とは違うものでした。研究開発を続け、現在のような蜜香が残る緑茶となりました。現在は緑茶の香りをしっかりと残した「毫香碧綠茶」という名称で蜜香紅茶を作っています。日本緑茶、大陸緑茶、台湾三峽緑茶とも違う新しいお茶を生み出す努力は大変なものだったに違いありません。蜜香緑茶の特徴である、白毫をご堪能ください。
写真は「蜜香緑茶」Oyakata撮影

2010年11月

2010年11月04日「台北捷運蘆洲線」 2010年11月11日「台北東呉飯店」
今週の一枚2010.11.04 今週の一枚2010.11.11
台北捷運蘆洲線が11月3日午後開業しました。忠孝新生と蘆洲を結ぶ11駅がやっと結ばれました。台北東呉飯店は大橋頭站より徒歩数分の近さになり便利度UPです。台北站へは民権西路で乗り換え、約15分で到着。光華市場へはそのまま終点の忠孝新生まで行けばOK。羽田から到着する松山空港からは、松山機場站より文湖線で忠孝復興、板南線に乗り換え一駅、忠孝新生で蘆洲線に乗り換え、大橋頭站で下車。バスを組み合わせると、台北市内の移動が楽になりました。これで、雨降りの日にタクシーを探す手間が省けます。現在は試運転期間で、この路線は無料になっているようです。ぜひお試しを。
写真は「台北捷運蘆洲線」
台北東呉飯店が現在の定宿、台北捷運蘆洲線が11月3日に開通し、交通至便で静かな宿となりました。もともと周辺にお茶問屋が密集していることで、お茶関係者にはよく知られている宿です。台湾のお茶の歴史を知る町として、訪れる人が多くいます。ホテル後ろに迪化街があり、薬種問屋や食材店があります。ここまで、徒歩数分で行かれる場所なので便利。ホテルの朝食はバイキング形式です。残念ながらメニューに豊富さがないので長期滞在すると飽きてしまいます。そのときはホテル周辺の屋台や小さなお店が最高。ここで食事をして、ホテルに戻って珈琲や紅茶などのお茶をする。こんな朝食も楽しいですね。
写真は「台北東呉飯店朝食」
2010年11月18日「臺北國際花卉博覽會」 2010年11月25日「麒麟潭」
今週の一枚2010.11.18 今週の一枚2010.11.25
臺北國際花卉博覽會が台北圓山地区で11月6日より開催されています。4月25日の閉幕まで800万人の来場者を予定しています。会場内はとても広く、圓山公園、美術公園、新生公園、大佳河濱公園の4つのエリアに分かれています。会場内各パビリオンに入館するには長蛇の列を覚悟する必要があります。短いところでも1時間以上の待ち時間が必要。パビリオンに入館しなくても、沢山のイベントが屋外で催されており、充分楽しめます。会場へのアクセスは便利でMRT圓山駅なら改札出てすぐに入場ゲートがあります。市内各所からの専用無料バスも運行されています。入場料は300元、午後1時以降なら200元などと時間により割引料金があり、夜10時閉園となります。食べ物屋さんもたくさんあるので、別の楽しみ方もできます。
写真は「臺北國際花卉博覽會」
南投縣鹿谷郷の名所「麒麟潭」です。古名は「大水堀」で民國63年に故蔣經國總統が命名し現在の名前となりました。凍頂山の東側麓に位置し、灌漑用水として利用されています。人造湖で水量は豊富で旱魃によって干上がることはないようです。観光地として有名になりましたが、水質はあまり良くはありません。麒麟潭の存在により、水蒸気が活発に上がり霧のもとになっています。麒麟潭周囲の山の斜面は茶畑が点在しており、茶摘みをしている様子を見ることができます。残念ながら、この場所で作られたお茶は上質とは言い難いようです。早朝、霧に包まれた麒麟潭が一番きれいです。写真右側の山が凍頂山です。
写真は「麒麟潭」

2010年12月

2010年12月2日「紅龍果・ドラゴンフルーツ」 2010年12月9日「永樂米苔目」
今週の一枚2010.12.02 今週の一枚2010.12.09
台湾各地で栽培されている「紅龍果・ドラゴンフルーツ」です。最近では日本でも多く見かけられますが、台湾では家の庭で栽培できるほどポピュラーなフルーツです。サボテンの仲間で、果実には白、赤、ピンク、黄などがあります。台湾では赤皮、白果肉、黒胡麻状種子の品種が多く栽培されています。6月頃に開花が盛んになりますが、通年収穫ができるようです。完熟状態で収穫した果実は糖度が高い。日本で販売されているものは未完熟状態で輸出され、追熟がきかない果実なので、甘みが少ないようです。台湾では安価なフルーツのひとつで、どこでも買えます。また、台湾素食(精進料理)店では葉肉や花も食材として利用しています。
写真は「紅龍果・ドラゴンフルーツ」
大稻埕永樂市場の永樂米苔目は中華民國56年開店の老舗。米から作られた麺「米苔目」はホテルの食事に飽きた人にとって、楽しめる食事です。スープに入った湯麺とスープなしの乾麺の二種類が選べます。朝7時開店、閉店は午後6時(休日午後3時)、迪化街の近くなので、散策のついでに食べるのも良いですね。他に厚揚げやおつまみがケースに入っています。テーブルにある注文票に数量を書き込んで渡せば、あっという間に提供されます。クセのない米苔目はついつい、お代りをしてしまいます。台北東呉飯店から歩いて行かれる距離です。是非お試しを。
写真は「永樂米苔目」
2010年12月16日「林合發彌月油飯」 2010年12月23日「滋生青草店」
今週の一枚2010.12.16 今週の一枚2010.12.23
大稻埕永樂市場に美味しいお弁当の店がありました。1894年創業の林合發彌月油飯です。油飯はおこわですが、日本のものとはまるで違います。彌月油飯は台湾の風習で、男の子が生まれた時に配るお祝い料理です。油飯、紅蛋、鶏腿が三点セット。100元と170元の鶏腿入り豪華版がありました。もうひとつの名物「芋頭糕」もお忘れなく、ひとつ20元と格安ですが美味しさ抜群。台湾名産のタロイモと米が原料のお手軽おやつです。台北民俗小吃や台北市政府百年老店にも選ばれるほどの美味しさです。朝は7時半頃には開店していましたが、昼過ぎには閉店していました。定休日を尋ねたら不定期との答え、閉っていたら残念。この周辺には油飯を扱っている店がたくさんあるので、食べ比べも楽しそうです。
写真は「林合發彌月油飯」
迪化街の老舗「滋生青草店」は薬草(一葉草、金線蓮、牛璋菇、清明草、黑芙蓉、其他藥材等等)の専門店です。老闆(店主)李屘氏は四代目、店頭に立って店を切り盛りしています。店頭で販売している「青草茶」「苦茶」「茅根茶」は独特の風味がありますが、飲んだ後しばらくすると胃がスッキリします。ここで販売している生の薬草は台北近郊の自社農園で栽培しているとのこと。店の奥には伝統的な薬棚があり、眺めている岳でも効果がありそうな気分になります。日曜祝日が定休日で午前8時より午後8時まで営業しています。そういえば二日酔いの時にここのお茶を飲むと効果があるようです。
写真は「滋生青草店」
2010年12月30日「凍頂老茶樹」
今週の一枚2010.12.30
「茶様子」主人「林桓渝」の祖先である 西暦1846年、鹿谷郷より林鳳池が科挙に参加した時、林三顯が渡航資金提供をしました。見事、林鳳池は科挙に合格し故郷に錦を飾りました。この時、林三顯の恩に報いるため、武夷山より36株の茶樹を持ち帰り、12株を林三顯へ贈りました。凍頂山で栽培された茶樹は気候、土壌があい生育が良く定着しました。そのほかの場所に移植した24株は生育に失敗したので、この時に持ち帰った株は林三顯が育てている株のみとなりました。瞬く間にこの茶樹が凍頂一帯で栽培されるようになり大規模農茶園が各地にできました。当時持ち帰った茶樹で現存しているのは写真の1本のみとなりました。この老茶樹が台湾茶発展のきっかけを作ったのです。この老茶樹は通説で言われる青心烏龍種の茶樹ではなく、武夷種に近い茶樹でした。この茶葉で作ったお茶はどのような香りと味のお茶だったのでしょうか。2011年も台湾茶を一緒に楽しみましょう。
写真は「凍頂老茶樹」