今週の一枚 2011年1月-2011年3月

2011年1月

2011年1月6日「梨山翠峰」 2011年1月13日「杉林渓龍鳳峡」
今週の一枚2011.01.06 今週の一枚2011.01.13
台湾高山茶の最高峰「梨山」は台中縣、宜蘭縣、南投縣の広範囲に山系が広がり、この広さが多種多様なお茶を生み出す要因になっています。梨山茶の中でも大禹嶺は別格、生産農家が少なく、生産量が極めて少ないお茶で、現地でも入手困難なお茶のひとつです。何故、日本で大禹嶺が大量に販売されているのか謎です。比較的入手しやすい福寿山、華崗、翠峰はそれぞれ香りが異なり、好みが分かれるところです。柔らかさの福寿山、華崗、高い香りの翠峰。しかし同じ産地でも山頂部と谷の部分ではまるで違うお茶なので、名前だけでは良し悪しは判断できません。他の茶区でも特徴ある梨山茶が作られています。梨山茶の飲み比べなど贅沢な試みも楽しいですね。標高2000mを超えた高冷茶に区分される梨山山系のお茶は共通する香りがありますが、お気づきでしょうか。雲海に沈む梨山に足を踏み入れると、ここなら美味しいお茶が作れるだろうな、と感じます。
写真は「梨山翠峰」の茶畑
南投縣竹山鎮は凍頂山系といわれる山脈が綿々と続く場所。この山系で栽培され、凍頂式烘焙をかけたお茶は、高山凍頂烏龍茶と呼ばれます。凍頂山に近い杉林渓茶区より美味しいお茶が作られる場所として、ひとつ奥の龍鳳峡茶区があります。このあたりの茶区は竹藪が多く点在しているのが特徴で、他の茶区とは少し違う景色です。標高1600m前後に茶畑が多くあり、青心烏龍種を中心に栽培されています。優しい甘さに特徴あるお茶で、冬の陽だまりのようなお茶です。急傾斜に茶畑があるため、日常の管理や茶摘みに多くの労力が必要です。杉林渓茶区のお茶より上質なお茶が作られる場所が多いのですが、交通アクセスは不便なのでなかなか行かれません。
写真は「杉林渓龍鳳峡」
2011年1月13日「坪林清境茶園」 2011年1月27日「BS-TBSテレビ放送」
今週の一枚2011.01.20 今週の一枚2011.01.27
「2010臺北縣坪林包種茶節II」での坪林清境茶園出品のひとこま。蘇文松茶師と(右二)3人のお子様です。冠軒(左二)、虹縈及家緯、一家そろっての包種茶節に参加です。昨年は12月4、5、11、12日の週末に開催されました。今回のテーマは「茶香、花舞、滿坪林」各種イベントや、文山包種茶の販売、試飲などが行われました。また、坪林農會包種茶冰淇淋(文山包種茶のアイスクリーム)は大好評だったということです。臺北縣坪林包種茶節は2006年よりはじまり、メイン会場は坪林茶業博物館。2010年春は5月29、30日、6月5、6日に開催されました。毎年同じ時期に開催されるので、今年はこの時期に台湾旅行はいかがですか。
写真は「坪林清境茶園一家」
2011年1月5日BS-TBS「ゆらり散歩 世界の街角 ~台北~」において台北の紹介番組が放映されました。古くから台湾茶の集積地として栄えた台北旧市街から茶葉の生産地「坪林」や茶芸館が集まる「猫空」まで紹介されました。田中美里さんのナレーションは坪林の茶畑の雰囲気とマッチしており、素晴らしい番組でした。坪林地区は台北市の水源地帯、環境保護と農作物の両立がうまくいっている地区です。良い環境が美味しいお茶を生み出し、環境を維持する努力をしながら茶葉を育成する茶農、この恵みを文山包種茶として世に生み出す茶師。この番組を見ながら、いろいろなことを考えさせられました。番組を見逃してしまった方はこちらより、坪林の場面だけですが見られます。
写真は「撮影風景と蘇志成茶師」

2011年2月

2011年2月3日「陸羽茶聖」 2011年2月10日「蜜香紅茶沱茶」
今週の一枚2011.02.03 今週の一枚2011.02.10
茶にかかわる人なら誰でも知っている陸羽茶聖です。著書「陸羽茶經」は茶のバイブルとして読まれています。内容は茶の成り立ちから、茶の良し悪し、水にかかわる事柄や道具、茶会のマナーにまで及んでいます。まだ、きちんと読んでいない方は読まれることをお勧めします。実際の陸羽がどのような風貌であったのかはわかりませんが、凍頂鹿谷郷の凍頂巷を老茶樹のある山頂方面に歩いていると亭が左側にあります。その向かいが、林桓渝茶師の実家で製茶場です。陸羽の世界と今の世界、大きく様変わりしていますが、お茶の美味しさは不滅です。
写真は「陸羽茶聖」凍頂鹿谷にて
普洱茶でよく見られる沱茶ですが、蜜香紅茶で沱茶を作りました。花蓮瑞穂の高肇昫茶師は研究熱心な茶師です。昨年より試作を続けてきた蜜香紅茶を使って作った沱茶がいよいよ完成です。今春に販売用に生産開始される見通しです。もちろん茶香好友製茶実習・体験でも、蜜香紅茶沱茶の製茶体験も行う予定で打ち合わせを進めています。それだけでも美味しい蜜香紅茶を沱茶にして熟成させると、甘みが増し、香りの膨らみが増します。蜜香緑茶沱茶も合わせて開発中で、これからの新しいお茶の楽しみ方が増えるのは楽しいことです。おいしいお茶を作りたいという研究心が、新しいお茶を生み出します。作り手の心を感じられるようなお茶を淹れられれば幸せな気持ちになれますね。
写真は「蜜香紅茶沱茶」
2011年2月17日「萬大水庫」 2011年2月24日「苦茶花」
今週の一枚2011.02.17 今週の一枚2011.02.24
梨山の茶畑に行く時に「萬大水庫」の傍らを通り過ぎます。通称「碧湖」は山中の翡翠という呼び名から付けられたものです。台14號甲線の霧社に位置し、霧卡山溪、馬赫波溪、塔洛灣溪などの多くの渓流が集まって作られた人造湖です。標高1100mに位置する萬大水庫は1953年に着工、1960年に完成して以来、この地区の電力供給や灌漑用水として貢献しています。また、日月潭の水量調整はこのダムで行っています。四季の美しさに定評があり、風光明媚な場所としてカメラマンが集まる場所としても有名です。萬大水庫より上部の渓流流域で作られる梨山茶が格別に美味しいのは、坪林と同じ地理条件からも明白です。梨山に訪れる際にちょっと足を止めてみたい場所です。
写真は「萬大水庫」
お茶の花「茶花」と椿の花「苦茶花」がありますが、台湾で食用油用の種子を採るために栽培されているのが「苦茶花」です。日本では赤系の花ですが台湾ではお茶の花と同じ白です。台湾茶を作る茶樹の種子から搾った油も食用として用いられます。香りが強く、やや苦味があるのが特徴です。椿から搾った油は香りは爽やかで、口当たりは甘くサラダや揚げ物に最適です。油を熱したときに煙が上がり始める発煙温度が他油と比較して高く、高温で安定した油と言えます。この油でつくった天麩羅を金麩羅と呼ぶようです。台湾では阿里山で栽培されているものが上質と言われています。お茶と同じように、良い水と良い空気、健全な土壌が育む天然食材です。
写真は「苦茶花」

2011年3月

2011年3月3日「Foodex Japan2011」 2011年3月10日「龍眼」
今週の一枚2011.03.3 今週の一枚2011.03.10
食品関係のイベント、Foodex Japan 2011です。日本の食品関係者、海外の食品関係者が一同にかいして開催され、日本最大の食品ショーと位置づけられています。台湾コーナーは雲林縣、嘉義縣、台南縣、屏東縣の県ブースや各社出店のブースが有ります。台湾茶関連も数社展示されています。お茶関係で特筆すべきブースは残念ながらありませんでした。ただ、雲林縣産のお茶が初登場したのが話題でしょうか。茶畑は阿里山のはずれに当たる地区にあり、今までは阿里山などのコンテストに出品していました。これからの新しいお茶として話題になる可能性を秘めた産地であることは間違いありません。業界関係者なら一度は見ておきたい展示会です。
写真は「Foodex Japan2011」
龍眼は東南アジアから中国南部原産の常緑樹であり、主な生産地は福建省など中国南部、台湾、タイ、ラオス、インドネシア、ベト2011年3月26日「日本5縣食品禁入」ナム、日本では沖縄の八重山列島などの一部地域と幅広く栽培されています。台湾では6月末から8月にかけて鮮果が楽しめます。8月以降は乾果が出回り通年楽しめる果実です。果肉を乾燥させたものを竜眼肉、桂圓肉と呼び、漢方薬として心と体を補い補血、滋養強壮の効果が有るとされます。疲労、不眠、貧血、病後、産後の肥立ち、また胃腸に薬効があると言われます。花の時期に養蜂家が集まり、龍眼蜂蜜の蜜源として珍重されています。甘みと香りはそのままでも、加工食品にも活用されています。今月末から4月末にかけては台湾各地で龍眼の花盛りです。
写真は「龍眼」
2011年3月19日「相信希望 Fight&Smile ! 」 2011年3月26日「日本5縣食品禁入」
今週の一枚2011.03.19 今週の一枚2011.03.26
3月18日夜台湾国内TV、WEBにて4時間の生放送で「相信希望 Fight&Smile ! 」が放映されました。東北関東大震災にて被災した日本被災者に対して募金活動を行った番組です。馬英九總統(最前列中央)も募金電話を取り活動を応援しました。番組では募金をしてくれたすべての人の名前を字幕で流し、日本を応援しようという気持ちにあふれていました。中華民国台湾国民の気持ちは、番組終了時に7億8854萬6555元に達しました。世界各地より応援をいただいている日本、その気持ちに応え一日も早い復興をしましょう。今こそ、倭民族の大和魂を見せる時です。 原発による環境汚染はいつ収束するのか、経済活動に与える影響は甚大です。米国、カナダ、シンガポール、韓国、香港に続いて台湾でも農産物の輸入禁止が発表されました。福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県で生産、製造された食品輸入を禁止するというものです。日系のデパートでは日本食品の調達先を変更するなど対応に追われています。また、日本より輸入される食品だけでなく、工業製品や電子製品まで放射線検査を行うことが実施されています。日本からの旅客は放射線検査を行い、規定値を超えた場合は除染、それでも規定値以下にならない場合は病院に搬送という方法をとっています。東電、行政、政治すべての対応が後手になったため経済活動を行う人達には大打撃、早く事態を収拾してください。
また、相信希望 Fight&Smile ! によって集められた義援金は昨日までに日本円換算47億円となりました。中華民国台湾国民2300万人の善意に感謝し、無駄遣いしないよう有効に素早く届けられるように願うばかりです。
写真は「台湾TV」より