今週の一枚 2011年4月-2011年6月

2011年4月

2011年4月7日「日式冷麺Q彈」 2011年4月14日「受け継ぐ命」
今週の一枚2011.04.07 今週の一枚2011.04.14
台湾で流行り始めている「日式冷麺Q彈」です。日本のつけ麺に近いラーメンを台湾風にアレンジしたものです。台湾の麺はコシがなく柔らかいのが普通です。やや太めの麺をゆでた後に水で締める日本式を取り入れたことで、シコシコ感(台湾ではQ彈)をだしています。台湾ではQQという黒タピオカミルクティーに代表されるように、シコシコ感(Q感)のある食材が流行る傾向があります。今は温かいつけダレが多いようですが、本格的に暑くなる頃には冷たいものが流行りそうです。煮玉子もアクセントになり、日本風に見えるところがミソ。台湾風味付けのつけ麺、替え玉もあり大賑わいとのこと。日本と台湾が融合した食べ物がこの夏ブレークしそうです。
写真は「台湾TV」より
昨年訪れた「台湾老茶樹」、凍頂山頂にただ一本残っている林鳳池が持ち帰ったと言われる茶樹。林茶師の許可を得て採取した老茶樹の種を持ち帰り蒔いたところ、発芽し成長をはじめました。150年以上前に大陸より台湾に運ばれた茶樹、台湾で実を結び、日本に運ばれて発芽する。なんと楽しいことでしょうか。日本の気候になじむかは不明ですが、無事成長して欲しいものです。命をつむぐ、大震災より復興していく日本の姿を見るようです。
写真は「新芽」台湾老茶樹
2011年4月21日「文山包種茶老茶」 2011年4月28日「製茶実習・体験」
今週の一枚2011.04.21 今週の一枚2011.04.28
文山坪林の茶師「蘇壽」茶師が跡継ぎ(文松茶師)を授かったときに仕込んだ老茶です。一般的な老茶は毎年一回烘焙し、焙煎香が強くなるのが常ですが、このお茶は茶缶に密閉保管し大切に熟成させた逸品。長年通っていた管理人も知らなかったお茶で、壽茶師の個人部屋で保管されており、子供たちも触れないお茶でした。温度変化の少ない場所でじっくりと熟成させたお茶は、文山包種茶の気品を保ちつつ、普洱茶のような黒麹系の香りもあります。以前、西双版納で振る舞ってもらった50年物の普洱茶と共通する香り、味、とろみがあります。老茶は二代、三代と跡継ぎがいないと維持できないお茶。ますます入手困難なお茶のひとつになってきました。
写真は「文山包種茶老茶」撮影:Oyakata
製茶実習・体験と銘打って毎年続けていますが、今年の春茶も予定通り開催されました。花蓮瑞穂において蜜香紅茶開発者「高肇昫」茶師の指導で青心烏龍種の蜜香紅茶を作りました。自分たちで摘み取った金萱茶のウンカ芽は蜜香緑茶となりました。どちらも会心のできばえです。今回のもうひとつの目的「紅茶沱茶」も予定通り作ることが出来ました。こちらは1ヵ月後、5年後が楽しみ。文山坪林では文山包種茶の第一人者「蘇志成」茶師の指導で本物の文山包種茶を作りました。ちょうど木柵鐵観音の名人がお茶作りに来ており、木柵鐵観音茶を作るお手伝いもすることが出来ました。美味しいお茶にかける情熱がひしひしと伝わり、愛着がいっそう増しました。次回は6月に東方美人茶と紅茶を一緒に作る企画です。皆様の参加をお待ちしております。各教室で、作りたてのお茶の試飲をしますのでお楽しみに。
写真は「製茶実習」坪林にて

2011年5月

2011年5月5日「道路上黄線と赤線」 2011年5月12日「古早味文山包種茶」
今週の一枚2011.05.5 今週の一枚2011.05.12
台湾を歩いていると道路上に黄色い線と赤色線、そして何も無い場所があります。この線は駐車情報を意味しています。赤線は駐停車禁止場所、黄色線は駐車禁止ですが乗降のための停車は可能、何も無い場所は駐停車可能です。台湾で赤線の場所に駐車していると、たちまちレッカー車が来ます。周囲にある車両全てをまとめてレッカーしてしまうのが特徴。もし、レッカーされてしまうと駐車基地に車を引き取りに行き、罰金の支払いと面倒な作業が待っています。バイク王国台湾ではバイクも当然レッカー対象、同じように駐車場所以外に駐車してしまうと、大型トラックが来て一網打尽。周囲のバイクをすべてトラックでレッカーしてしまいます。台湾で運転するときはご注意を。日本人は日本の運転免許証と中国語の翻訳文(JAFなどで発行)を持参すれば、国際免許なしで運転可能です。
写真は「道路上の線」台北市内にて
「古早味文山包種茶」とは昔懐かしい味がする文山包種茶という意味です。そもそも、このお茶は偶然が産み出したお茶なんです。蘇茶師の茶畑で50年程栽培していた青心烏龍種の茶樹の収穫量が上がらなくなったため、新しい茶樹に植え替える計画がありました。茶樹を枯らすため、強剪定し肥料も与えず放置しておいたところ、気象条件などがマッチしたためか、早春に一部茶樹から新芽が吹き出しました。その茶葉を集めて製茶したところ4斤弱、文松茶師と志成茶師が試飲していて、やはりダメだと言ってたところへ壽茶師が顔出し。一口飲んだ瞬間「古早味」と、パパが子供の頃に飲んだ文山包種茶の味だと。70年前の文山包種茶が蘇った瞬間です。今の基準では美味しいとは言えませんが、文山包種茶の変遷を知るのに貴重なお茶です。今春、茶畑は整地されてしまったので、幻のお茶は今回限りです。
写真は「古早味文山包種茶」撮影Oyakata
2011年5月19日「蜜香緑茶」 2011年5月26日「蜜香紅茶」
今週の一枚2011.05.19 今週の一枚2011.05.26
「蜜香緑茶」は花蓮瑞穂「高肇昫」茶師一族が花蓮縣政府の推進する無毒栽培によってウンカ被害を受けた茶畑から試行錯誤の上に生まれたお茶です。台湾緑茶の代表である三峽緑茶とは全く違う新しい緑茶と言えます。蜜香緑茶に適している茶葉は大葉烏龍種、青心烏龍種、金萱種、翠玉種、四季春などウンカ被害を受けたウンカ芽。作り方は製茶実習・体験で実体験してもらうことにしますが、日々進歩しています。台湾で一番早い春茶の産地と言われるくらいの場所なので、農薬未使用ではウンカ被害が出て当たり前の場所。茶摘みをしていてもウンカが大量に飛散しています。自然界からの被害を利点にしてしまう蜜香緑茶が新しい台湾茶の世界を広げます。
写真は「蜜香緑茶」撮影Oyakata
「蜜香紅茶」は花蓮瑞穂「高肇昫」茶師一族が花蓮縣政府の推進する無毒栽培によってウンカ被害を受けた茶畑から試行錯誤の上に生まれたお茶です。蜜香緑茶とは違うお茶を作り出す熱意で作り出した紅茶です。初期の蜜香紅茶は通常の台湾紅茶と比較しても目新しさだけで特別なものではありませんでしたが、なにか可能性を感じました。通常の紅茶より小さい、東方美人茶と同じミル芽を多用することで新しい香りを生み出しました。製茶工程で殺菁作業のない「紅茶」、なぜか高肇昫茶師は殺菁機を使います。この秘密は製茶実習・体験で謎解きしてください。台湾各地で流行となっている蜜香紅茶ですが、飲み比べると違いがはっきり分かって面白いですね。
写真は「蜜香紅茶」撮影Oyakata

2011年6月

2011年6月2日「民國100年坪林春比賽特等奨」 2011年6月9日「黑心起雲劑・塑化劑」
今週の一枚2011.06.02 今週の一枚2011.06.09
新北市坪林區100年春季優良文山包種茶比賽會の入賞者の発表があり「清境茶園」蘇一家が「特等奨」を獲得いたしました。5月28日坪林茶業博物館入口広場で2011新北市坪林包種茶節「建国百年記念」が開催され、表彰式が執り行なわれました。当日は台風2號が最接近しており、雨風が強かったのですが、表彰式が始まる頃には小雨になりました。参等奨・貳等奨・頭等奨・頭等十-六、頭等一-五の表彰が行われた後、休憩を挟んで特等奨の表彰。壇上には4名限定で登壇、管理人もこの栄誉にあずかりました。建国100年の節目に最高栄誉の特等奨を獲得とは、凄いことです。表彰式終了後は蘇家に戻り大宴会となりました。新北市市長、坪林郷郷長や国会議員などもお祝いに駆けつけてくれ祝賀会となりました。6月18日、19日で夏茶の製茶実習・体験を清境茶園で行います。参加ご希望の方はご連絡ください
写真は「2011新北市坪林包種茶節」
黑心起雲劑・塑化劑事件の収拾はいつのことになるのでしょうか。5月31日より安全検査をしていない商品の販売を禁止する法律ができたのですが、いまだ摘発が続いています。事の発端はDEHP(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル))が飲料より検出されたことから始まりました。塩ビの製造に用いられる化学物質がなぜ使用されたのか、安価で安定した性質を持っていたからでしょう。本来は乳化剤を使用すべきところDEHPを含む塑化剤を使用していました。この原料は大手食品メーカーや飲料チェーン店など多く使用されています。発がん性や性成長ホルモン異常を引き起こす作用があると報告されています。スポーツ飲料や果汁、ジャムだけでなく化粧品や薬にも使用されていました。現在販売されているものは安心ですが、念のため用心ましょう。この事件が報道された日の士林夜市の食堂は閑散としておりました。日本は大丈夫かと心配です。
写真は「黑心起雲劑・塑化劑」TV報道
2011年6月16日「逢甲夜市」 2011年6月23日「台北食品展」
今週の一枚2011.06.16 今週の一枚2011.06.23
台湾には多くの夜市がありますが、台中には台湾最大の繁華街と言われる逢甲夜市があります。逢甲大学の周囲1キロメートル内にあり、逢甲文華夜市、逢甲路、福星路が含まれ、周辺の店舗を含めるとまさに最大級。繁華街の中には屋台が多数あり、屋台料理はとてもおいしく刺激的。台湾らしい服は個性的で、価格は激安です。また、最新の携帯電話も、台中で最も安く買うことができます。駐車の問題は、交通局の整備の後、大幅に改善され、駐車スペースを探す苦労なしに、ショッピングが楽しめるようになりました。20年ほど前の士林夜市を思わせるような、買い食いしながら眺めて歩くができる夜市です。現在の士林夜市は食べ物を分離してしまい、楽しみが半減してしまいました。学生街周辺に自然発生的にできるといわれる夜市、まさに逢甲夜市は大学の周辺に出来上がった夜市です。
写真は「逢甲夜市」
昨日より台北南港展示場にてFood Taipeiが開催されています。今年は昨年よりお茶関係が増えています。バイヤーズデイの初日はたくさんの関係者が来場しました。文山農會、南投縣農會、台北市農會や梨山茶、凍頂茶など安いものでなく、良いものが展示されています。いくつか試飮しましたが、今年のお茶が美味しいことを再確認しました。海外展示コーナーでは日本と韓国に多くの人が集まっていました。ただ、大陸の展示コーナーは閑散としているのが残念でした。展示会は25日まで開催されます。
写真は「台北食品展文山農會」
2011年6月30日「東方美人茶」
今週の一枚2011.06.30
民國93年は東方美人茶の当たり年でした。民國100年の今年は、久しぶりの当たり年になりました。本来、東方美人茶は熟成させたほうが美味しいお茶ですが、甘味、香りともに素晴らしい状態です。秋風が吹く頃には熟成が進み茶葉の良さをあらためて認識することでしょう。東方美人茶は紅・緑・黄・白・褐の5色揃ったものが最上級品。紅茶に近いお茶と言われますが、製法も香りも味も別物です。このお茶を作る時のコツは茶摘みにあります。写真の色が違うところの茶葉だけが、小綠葉蟬(ウンカ)の食害にあった茶葉。芽先の1芯1葉で摘むのがポイント。真夏の太陽に照らされて茶摘みをする苦労は大変なこと。午前中に茶摘みを終わらせたものだけが東方美人茶としてデビューです。
写真は「東方美人茶茶畑」