今週の一枚 2013年1月-2013年3月

2013年1月

2013年1月3日「新年快楽」 2013年1月10日「皮蛋」
今週の一枚2013.01.03 今週の一枚2013.01.10
2013年幕開けです。平成25年、皇紀2673年、中華民國102年。伊勢神宮第62回式年遷宮、2月10日農暦正月、7月28日衆議院議員任期満了、11月3日東アフリカで皆既日食。
茶香好友は4月文山包種茶、蜜香紅茶製茶、5月和紅茶製茶、6月小葉紅茶、東方美人茶製茶、11月文山包種茶、蜜香紅茶製茶、時期未定でネパール紅茶製茶と製茶技術を極める研修を行います。通信教育、お茶会を通して台湾茶の普及に力を入れます。今年も美味しいお茶を一緒に楽しみましょう。
写真は「台北101」自由時報より
皮蛋(ピータン)は、アヒルの卵を強いアルカリ性の条件で熟成させて製造する台湾の食品です。近年では鶏卵やウズラの卵などでも作られています。台湾では無鉛皮蛋が普通ですが、大陸では有鉛のものが多いので食べすぎが有害になることがあります。皮蛋豆腐や皮蛋粥などの料理、そのまま食べることも多いのですが、葱と揚げた皮蛋を炒めたものは美味です。好き嫌いが多い皮蛋ですが、一度食べるとやみつきになります。
写真は「皮蛋葱」
2013年1月17日「文山包種茶冬仔」 2013年1月24日「醗酵」
今週の一枚2013.01.17 今週の一枚2013.01.24
「文山包種茶冬仔」は11月に冬茶を摘み取った茶樹が休眠せずに新芽を吹き出し生長した茶葉から作られます。気象条件や陽だまりなどピタリとはまった時に作られるお茶で、生産量はごくわずかです。通常、茶農家が農暦正月にお客様に振る舞うお茶として珍重されてきました。生産時期は12月初めから中旬の短い期間です。青い香りと、まったりする甘さがあり、一種独特の気が感じられるお茶です。金萱種などいろいろな茶樹で作られますが、青心烏龍種で作った冬仔は最高です。
写真は「文山包種茶冬仔」
台湾茶における「醗酵」は難しい問題です。「Oxidization」と英訳するのが一般的ですが「Fermentation」と言われることは稀です。これは日本語において茶葉を酸素を利用して酸化する作用と、微生物を利用して有機化合物を分解する作用を混同して使われたものと思われます。茶の場合、茶葉には酸化酵素が含まれており、茶葉を摘んで揉むと葉の組織が壊れて細胞の内容物が混ざり合い、酸化酵素による酸化発酵が進んでいく。これが台湾茶の発酵と言われる酸化の仕組みです。台湾で機器によって酸化度を測定しているところを見たことがありません。発酵度20%とか50%という表記を見ますが、一体どのようにして測定しているのか疑問です。
写真は「東方美人茶の醗酵」
2013年1月31日「醗酵2」
今週の一枚2013.01.31
台湾茶における「醗酵」についてもう少し。お茶の分類を醗酵度(酸化度)によって分類していますが、疑問点がいくつか湧きおこります。たとえば紅茶のファーストフラッシュ、茶葉の色は緑色で完全発酵しているとは思えません。お茶の6大分類によると、紅茶は完全醗酵であり、部分醗酵では烏龍茶となってしまいます。それでは緑色のファーストフラッシュは烏龍茶になるのでしょうか?そんなことはありません紅茶です。それでは写真のような醗酵しているもの、いないものが混在している茶葉から作れるお茶は何でしょうか。それは紅茶か烏龍茶です。次の工程によって紅茶にも烏龍茶にもなるのが茶葉のすごいところです。
写真は「揉捻茶葉」

2013年2月

2013年2月7日「醗酵3」 2013年2月14日「新年快楽」
今週の一枚2013.02.07 今週の一枚2013.02.14
台湾茶における「醗酵」第三弾。緑茶とは不発酵茶と定義されています。日本緑茶は採茶後すぐに蒸す、または釜炒りによって茶葉に含まれる酸化(醗酵)酵素を不活性化します。これにより揉捻作業で酸化することがなく緑茶として仕上げられます。しかし台湾緑茶では採茶後「静置萎凋」を行うことで香りを豊かにしますが、静置しているため酸化酵素が働くことはありません。黒茶と言われる「後醗酵茶」は緑茶から作られるため、茶葉に含まれる醗酵酵素で酸化することはなく外的要因(麹菌等)によって醗酵することで作られるお茶です。したがって酸化によって作られるお茶とは、全く違うお茶なのです。
写真は「蜜香緑茶」
「新年快楽 恭喜發財」2月10日は農暦の正月(旧正月)でした。清王朝・日本・朝鮮半島・モンゴル・ベトナムで使われていた中国暦の正月です。中華圏の影響の強い華人(中国系住民)の多い東南アジア諸国、世界各地の中華街などでも祝われます。、1911年辛亥革命後、翌年中華民国の成立時に太陽暦が正式に採用され、農暦の1月1日は「春節」と改名されました。現在、モンゴルではモンゴル暦が使用されているので、時期が違います。茶産地のひとつネパールではビクラム暦が採用され4月14日(ビクラム暦2070年)が新年の始まりです。
写真は「春節」明報より
2013年2月21日「醗酵4」 2013年2月28日「醗酵5」
今週の一枚2013.02.21 今週の一枚2013.02.28
文山包種茶を殺菁している時の茶葉の状態です。茶葉を確認すると褐変している部分はほんのわずかです。解説書などによると、文山包種茶は半発酵茶に分類され醗酵度20-40%されています。これらの著者はこの殺菁時の茶葉を見たことがあるのでしょうか。緑色がしっかりしていて緑茶のようです。でも12時間以上の走水と言われる室内萎凋を経た茶葉です。この茶葉から作られた文山包種茶を飲んで緑茶と言う人はいません。茶葉を醗酵という概念だけで分類するのは乱暴と感じるのですが。いかがでしょうか。
写真は「殺菁」坪林にて
紅茶揉捻は茶葉を揉捻することで、茶葉の細胞を壊し自ら持つ酸化酵素と反応しやすくするために行うものです。いわゆる紅茶は醗酵させるの第一ステップなのです。どのくらいの強さで、どのくらい時間揉捻するのか、茶師の判断がここに加わります。紅茶として完成させるには最終醗酵(酸化)が必要になります。通常高湿、高温状態の下で茶葉を管理すると紅茶臭が強くなってきます。茶葉に含まれる酸化酵素が強く働いて酸化が進むためです。完全醗酵とは茶葉の酸化酵素が酸化すべき成分がなくなった状態です。これ以上、どれだけの時間をおいても変化しない状態になることです。しかし、このような状態まで放置することなく、次の工程へ進むのが通常。茶葉を完全発酵させたものが紅茶なら、この世に紅茶は存在するのでしょうか。
写真は「紅茶揉捻」花蓮瑞穂にて

2013年3月

2013年3月7日「Foodex Japan」 2013年3月14日「春一番茶」
今週の一枚2013.03.7 今週の一枚2013.03.14
Foodex Japan 2013が3月5日より開催中です。8日の最終日まで日本国内、海外の出展者により食にかかわる商品が展示されます。今年も台湾ブースは2ホールの入り口側と同じ場所に陣取っています。茶葉関係の出展は年々減少していますが、今年もこの傾向が強く数社の出展となりました。飲料、農産物、水産物、菓子類の展示が多く魅力ある商品もいくつかありましたので、是非参観してください。
写真は「Foodex Japan」
台湾で一番早く春茶が作られる場所は「台東」「花蓮」です。花蓮瑞穂高茶師の嘉茗茶園では、2月23日、青心烏龍・3月13日には蜜香紅茶が一番で仕上がりました。さらに昨年不作だった柚香茶が今年は花満開でよい香りのお茶が3月13日仕上がりました。青心烏龍に着香した柚香烏龍、蜜香紅茶に着香した柚香蜜香紅茶は相乗効果でよい香りのお茶となりました。気がかりは少雨、ほかの産地の作柄が少し心配です。文山包種茶は4月15日頃、高山茶は4月20日頃からから生産開始予定です。
写真は「茶畑」花蓮瑞穂にて
2013年3月21日「柚香茶」 2013年3月28日「原発反対運動」
今週の一枚2013.03.21 今週の一枚2013.03.28
3月初旬に開花する文旦の花、台湾では柚花と呼びます。文旦は中秋節の贈り物に使われる台湾では大切な果物です。この花の摘花を利用して作られるのが柚香茶です。開花期は約2週間、この間に柚花で着香し、乾燥させ完成です。花蓮は台東と並び台湾で一番早い春茶の作られる場所ですが、開花時期と春一番茶が作られる時期は微妙にずれます。昨年は花が少なく、春茶も遅かったため冬茶に着香。今年は春茶が早く作れ、柚花も満開。烏龍茶、蜜香紅茶、緑茶に着香し香り高く美味しいお茶が少量ですが出来上がりました。
写真は「柚花」着香後の花
中華民国台湾は東日本大震災義捐金をどの国よりも多く積極的に集め寄付してくれた国家です。台湾国内では福島原発事故を教訓として、現在稼働している原発を即時停止すべきとの市民運動が盛んです。それは九州ほどの面積しかない島国で福島波の事故が起こった場合、台湾国民はどこに避難すれば良いのか危機感が日本に比べて大きいからです。また核廃棄物を安全に処理することも、長期間保管しなくてはいけないリスクも危惧される要因です。なぜ当事者である日本人はこんなにのんびりしていられるのか理解できないとも報道されていました。自分ひとりからでも行動をしなくては。
写真は「原発反対運動」台湾TV